昭和の終わり頃、ある鍵のことが話題になり、日本で社会問題となったことがありました。
それがディスクシリンダーと呼ばれるタイプの鍵です。
このタイプの鍵は安価で製造しやすいものだったために、大量に作られ、日本中で使われていたタイプの鍵です。
しかし、この鍵が特殊な工具を使えば簡単に開錠できてしまうということで空き巣や窃盗団に狙われ、週刊誌やテレビで危険だと取り上げられるようになったのです。
実際に空き巣の被害も多く、このタイプの鍵は製造販売中止になりました。
それを受けてピッキングに強い鍵が作られるようになりました。それが現在一般的に使われているディンプルキーというものです。スイスのメーカーであるカバ社が日本に持ち込みました。
平たい形で裏表がなく、表面にまるいでこぼこがあります。
この鍵は簡単に複製できなくなっていて、複製しようと思ったらひとつの鍵にひとつずつ割り振られているセキュリティコードや所有者のデータが照合されます。
ピッキングでも簡単に開けることができない非常に優れた鍵です。
現在ではディンプルキーが住宅以外でもさまざまなところで使われています。
こうして日本のセキュリティは進化を遂げました。
しかし、セキュリティが強化されるとそれに対抗する犯罪も増えてきます。今後も家や財産を守る新しいセキュリティは増えていくことが予想されます。